家族信託は通常、委託者、受託者、受益者により行われます。

委託者とは、財産を所有していて、管理を受託者の方に託す方です。

受託者の方に託す際には、自分の財産の管理、運用、処分に関する目的を果たすために、信託契約を結びます。

信託契約により、果たせる目的には以下のようなものがあります。

  • 代々先祖から受け継いでいる土地を守る。
  • 障害を持っている自分の子供が、生活支援と財産管理を受けられるようにする。
  • 配偶者の方の財産や生活を守る。
  • 不動産の管理を安定したものにする。
  • 老後を安心したものにする。

認知症や大病で理解力、判断力が衰えてしまった後でも、信託契約を結んでいれば安心です。

しかし、希望する目的を実現するためには、具体的にしっかりとした方針を固める必要があります。

「せっかく信託契約を結んだのに、要件等が不足していて目的を果たすことができなかった。」

という事にならない様に、ひとつひとつ確認しながら、手続きを進めていきましょう。

家族信託は、財産を適正に運用していく上で、大きな力となってくれますが、この委託者は誰もがなれるものなのでしょうか。

答えを先に言ってしまうと、基本的に誰でもなることができます。

しかし、委託者の方は財産について、管理や運用、処分に関する事項を決める必要があるため、認知症や大病により、判断力が衰えていると判断される場合には、委託者として新規に信託契約を結ぶことができません。

つまり、判断力が十分ある内に信託契約を結べば、それ以降病気を患ったり、思いがけない事故等に巻き込まれることにより、意思疎通が困難になったとしても、希望通りの遺産承継ができるというわけです。

また、委託者は未成年者の方でもなることができますが、遺言による信託を行うためには、民法上遺言書を作成できる、満15歳以上である必要があります。

なお、委託者の方が亡くなった場合の信託契約については、「信託契約で委託者が死亡した場合の定めと取消しについて」にて解説していますので、ご確認ください。