家族信託には、委託者、受託者、受益者等の役割を担う方々が登場します。

 家族信託の仕組みにつきましては「家族信託の仕組みを簡単解説」をご確認くださいませ。

では、この家族信託に登場する各役割は兼任することができるのでしょうか。

 以下にまとめましたので、確認していきましょう。

□受託者と受益者の兼任

当初から、受託者が受益者になることはできないという学説が存在します。
受託者が自分の為に信託財産を管理及び処分するというのは、信託の本来の目的ではないからです。

しかし、信託設定後、すぐに受益者の変更が想定されている場合(受益権の売買等)には委託者=受託者=受益者という兼任方法も可能です。

では、信託開始後に受託者が、後発的な理由により、受益者となってしまった場合はどうなるのでしょうか。

この場合、信託がすぐに終了するわけではなく、1年間の猶予期間が与えられます。
つまり兼任状態が1年間継続したとき、信託が終了することになるのです。

□委託者と受託者の兼任

委託者と受託者は兼任することができます。

このような形態の信託を「自己信託」といいます。
自己信託に関しましては「信託契約の種類」にて解説していますので、ご確認くださいませ。

□委託者と受益者の兼任

委託者と受益者は兼任が可能です。

信託銀行が行っている「金銭信託」が典型的な例です。
金銭信託とは、お金を信託銀行に預けて、運用も任せ、定期的に配当や元本の払い戻しを受取るという仕組みです。

委託者と受益者を兼任しない、つまり財産の所有者以外の人が受益者となる場合には注意が必要です。
何故なら、財産がみなし財産として、贈与税の対象となってしまうからです。

委託者と受益者が兼任する場合には、財産権の移動がないため、課税は発生しません

以上が、家族信託の役割の兼任に関する解説になります。

家族信託の役割等を良く理解し、円滑に家族信託の手続きを進めていきましょう。