信頼できる家族・親族に財産管理を託す「家族信託」ですが、似たような仕組みとして、「任意後見」という制度があります。どちらも本人が元気な内から財産に対する備えを準備するという点は同じですが、相違点もありますので、事前に確認しておくことが大切です。

ここでは家族信託と成年後見制度の違いについて解説していきます。

特に注意が必要となる相違点を、以下にまとめましたので確認してきましょう。

  • 期間の違い
    成年後見制度の期間は、本人の判断能力の低下後から始まり、本人が死亡するまでの期間に限定されています。
    それに対し、家族信託は本人が判断能力を失う前に信託契約を結ぶ事によりスタートし、契約内容によっては本人死亡後も数世代にまたがって財産管理を託す事が可能です。
    つまり、家族信託の方が長期にわたって、財産の運用ができるということになります。
  • 財産管理への制約の違い
    成年後見制度における財産管理は、家庭裁判所等からの制約を受ける事になります。
    しかし家族信託における財産管理では、公的な監督機関な存在せず、あくまでも親族間での信頼が制度の基礎となっていることから、本人の希望に沿っていれば、柔軟な財産管理や積極的な資産の運用が可能になります。
  • 経済的負担の違い
    成年後見制度は専門職への報酬というコストが発生する場合があり、その具体的な金額も家庭裁判所が審判を出すまで未定となりますが、本人が長生きしてくれた分だけコストが増えることになります。
    家族信託の場合でも、仕組みを導入する際には専門職のサポートが必要となりますので、ある程度のコストは発生します。
    しかし家族信託がスタートした後は、財産運用が家族間で完結しますので、信託契約に規定した報酬以外は、特段コストが発生しません。

以上が、家族信託と成年後見制度の違いになります。

実行する際には、より自分の目的に合う制度を選択し、堅実な資産運用をしていきましょう。