信託銀行のチラシ等で「遺言信託」の文字を目にすることはありませんか?
信託という繋がりから、信託銀行に家族信託の相談もできるのでは、と思った方もいるかもしれません。
しかし、信託銀行の「遺言信託」はいわば遺言書信託業務であり、あくまで遺言書の作成・保管・執行のサービス商品となります。
亡くなってから効力が発生する遺言では、家族信託が担っている老後の財産管理(生前の財産管理や生活費の支給、資産活用や相続税対策のこと)の部分には対応することができません。
さらに、遺留分を敢えて無視した遺言等、遺言内容次第で「遺言信託」で対応できないことがあったり、相続発生後に相続人間の紛争性が明確になっている場合には、信託銀行が遺言執行者に就任しないこともあります。
家族信託で託した財産については、契約の中で遺言の効果を出せるので、信託財産の承継者の指定については別途遺言を作る必要はございません。
しかし、金融資産が多い場合、
でしょう。受取人がいない遺産をめぐって争奪戦が起きるのを防ぐために、遺言と家族信託を併用するケースもあります。
信託財産は受取人が明確になっていますので、それ以外の財産を遺言で受取人指定しておけば、遺産分割協議等をする余地をなくすことができます。
自分の財産をより安全に託し、運用していってもらうのが「家族信託」の主な目的です。