遺言は相続の準備及び、対策の基本です。

遺言の大小に関係なく、遺される家族に「想い」を遺すのは大切なことです。

「自分が亡くなったら、皆で好きに分けて欲しい」

そのような考えで動いてしまうと、家族間で争いが起きかねません。

遺言を作成し、親の意志を明確に示すことは争いを防ぐという意味でも効果的ですし、遺される家族の負担を減らすことにも繋がります。

なお、遺言は最新の日付の遺言から有効になりますので、「想い」や家族を取り巻く状況、保有資産等に変化があれば、いつでも書き換えることができます。

もし相続人全員が元気で円満に話し合えれば、遺言内容とは違った、遺産分割も可能なので、「保険」という意味で気軽に遺言を作成するのも、1つの手です。
相続人の1人が認知症等になった場合、遺産分割協議ができなくなってしまうため、もしもの時に備えて遺言は作成しておくべきでしょう。

遺言書を作成すべき代表的なケースを以下にまとめましたので、確認していきましょう。

①子がいないので、配偶者に全財産を渡したい
遺言書の作成により、兄弟に相続権が発生することを回避できます。
②相続人に認知症、障害者、行方不明者がいる
遺言書の作成により、遺産分割協議が難航するのを防ぐことができます。
③遺留分の権利を持つ者に財産を渡したくない
遺言書の作成により、遺留分請求に備えた遺言条項で争族防止

④法定相続人が1人もいない
遺言書の作成により、遺産が国に没収されるのを回避できます。
⑤内縁の配偶者に財産を渡したい
遺言書の作成により、相続権のない人に確実に財産を渡すことが可能です。

遺言書を作成するにあたり、押さえておきたいポイントを以下にまとめましたので、ご確認くださいませ。

①曖昧な表現
「託す」、「任せる」等の使用は禁物です。
曖昧な表現は争いの元になりますので、誰に対しても「相続させる」または「その他一切の財産については」等の記載で、遺言に具体的な記載のない財産についても、明確な表現を心がけましょう。
②遺言執行者を指名しておく

遺言内容を実行する役割の人を氏名しておけば、実行がスムーズになります。
執行者は、専門家でなくても子などの相続人でもなることができます。
③付言の記載
遺される遺族にメッセージを記載することにより、感情的な争いを予防することができます。
④予備的な遺言条項設置
遺産の受取人が遺言者よりも先に亡くなると、該当する遺言部分が無効になってしまい
ます。そのような事態を避ける為にも、予備的な受取人の指定条項を設けて、万が一亡くなる順番が違っても困らないよう備える必要があります。

⑤遺留分を考慮した分配
遺留分の請求があった場合でも、財産の渡し方を遺留分に考慮したものにすることによって、争いの防止に繋がります。

 以上が遺言による、相続対策の解説になります。

なお、内容の改ざんなどを防ぐ為にも、遺言は公正証書で作成することをお勧め致します。

詳しくは「信託契約を公正証書で作成する」にて解説していますので、よろしければご確認くださいませ。

遺言をしっかりと作成し、争いのない平和な家族信託を目指しましょう。